Alchemistic-Life!

~錬金術的生活SB編~
<< 憂の喜劇と憂うべき状態 :: main :: さくら咲く >>

スロウライダー『Adam:ski(アダムスキー)』@三鷹市芸術文化センター 星のホール

親族代表の竹井さんがご出演されてた舞台を観に行きました!
竹井さんが・・・だんだんと狂気に駆られていく役を!((((;゜Д゜)))
さ、最初こそコミカルさも垣間見えたものの、どんどんヤバい人に・・・((((;゜Д゜)))
ストーリーもホラーですしね、怖かったですよ。 (追記にネタバレ
実際の人物(折口信夫)を題材にしてるってことで、その辺でも怖さが・・・
でも、終わって出てきてくださった竹井さんはいつものようにポヤヤンと良い人でした(*ノωノ)キャ

舞台は先生の書斎をメインに、奥の高くなったところに別の家の食卓を作ってあって、記者がとある「先生」の元弟子をしていた人物に取材をするところから始まります・・・
「先生」は既に亡くなっており、残された門弟達の間になにが起こったかが淡々と語られていきます。
はたして「先生」とは何者だったのか?

あー、そして終わった後にロビーでせっかく親族代表の嶋村さんを見つけたのに、声もかけられないチキンな私orz
あぁ、先日桃唄309の舞台を観に行ったこともお話すればよかったかなぁorz
記者が「先生」の元弟子だった白崎という男にインタビューを始める。
白崎は「先生」の下を飛び出して逃げた男なので、余り語りたがらないが、「先生」が亡くなった後に残された住み込みの門弟達はみな失踪していて話が聞けないというので、しぶしぶ話し出す。
自殺する直前の最後の門弟「徳田」から聞いたと言う話を・・・・・・・・・・・

【STORY】
生前、その民俗学者は「怪物」とさえいわれた。膨大な知識と神懸かり的な直感で、「先生」はこの世界とあの世をつないでみせた…。その奇妙なカリスマに引き寄せられ、周囲にはいつも男たちが集まっていた。「先生」の死後。彼を愛し、集まっていた門弟の男たちは、書きかけの自伝を皆で完成させ、出版する計画を立てる。しかし「先生」についての証言は、彼らの間で大きく食い違い、かつ「先生」の恋人だったと名乗る男の来訪によって、はたして「先生」とは誰だったのか、「先生」にとって自分は誰だったのか?男たちは激しい混乱に陥っていく…。


「先生」は既に亡くなっているところから、住み込みの門弟達の話は始まる。
4人の男と1人の女。
「先生」の自伝を「先生」の替わりに書くために、各人が「先生」として自伝を執筆するが、悉く内容が食い違う。各人の「先生」との関係が明かされていくにつれ、「先生」の偉大さやいびつさが明らかにされていく。
さらに、「先生」と長年メールでやり取りしてきたという「別府」(竹井さん!(゚∀゚))が現れ、「先生」を堕落させた原因として唯一の女性の門弟「生萩」に対して敵意を顕にする。
「先生」に愛されていたのは誰か?
「先生」のことを一番理解できていたのは自分ではなかったのか?
門弟達は疑心暗鬼に囚われていく・・・
そのうち蛾が大量発生して、蛾を常世からの使者?、死者の魂の象徴?としてみる門弟達は常世に近づいていく。

死してなお門弟達を支配する「先生」。
あの世(常世)とこの世をつなぐ研究をしてきた「先生」の研究を知れば知るほど、「先生」の研究に取り込まれ、深遠なる常世のふちを覗き込む門弟達。
ふとしたきっかけで門弟達のヒエラルキーが逆転し、自信をなくし、狂気に蝕まれ・・・
誰が一番「先生」の近くにいたのか? それがわからないことへの恐怖!!
「先生」に近づこうとすればするほど、常世の世界も近づいてきて・・・
だから、「先生」を信頼しきれず恨みさえした徳田だけがこちらの世界に最後まで残れたのか・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・怖い!!!((((;゜Д゜)))


ちょっと残念だったのは、折口信夫のことを知らない人が観たらどうだったのかなと言うこと。
当日パンフとかでもうちょっと触れておいて欲しかったかな。
「まれびと」とか「祝詞」とか、、、私は個人的趣味で折口信夫のことも研究内容のこともいくつか知ってましたが(^∀^;)
「まれびと」とか「折口信夫はホ○」って一般常識?(爆

あと、「先生」に対する門弟達の証言が食い違うって所が、余り説明的ではなかった所が惜しい。
台詞は門弟達の会話で進んでいくので、説明的なナレーションだの説明台詞だのがないわけですよ。
まぁ、その自然な会話のおかげで、狂気の世界に自然と足を取られていくのが観客にも伝わるんだけどね。
でも、もうちょっと門弟同士の「先生」に対する違いを見せ付けてもらいたかったなぁ。

でも、静かに語られていく関係性の崩壊は、つい引き込まれて自分も常世を覗いてしまう様な気分に。
うぅ。怖い。怖かった。

だから余計に終演後のロビーでお会いした竹井さんの笑顔に癒されました(笑
舞台レポ - : Edit
2007.03.25 日曜日 : - : -